会話の研究所

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明石家さんまのリアクション力

先日、明石家さんまさんの『踊るさんま御殿』を見ていたんですけど、やっぱりさんまさんはスゴイなーって思いましたね。

特に今回は、ゲストの話を聞くときのリアクションに注目して見ていました。

 

で、番組の中で「異性に言われた最低な一言」というテーマでトークが行われ、ドランクドラゴンの塚地さんがエピソードを語っていたのですが、その時の会話からリアクションを学ばせてもらいたいなと思います。

 

では、その時の会話がこちらです。

 

塚地「あのー、新宿駅で」

さんま「おー」

塚地「後輩と待ち合わせしてまして」

さんま「おー」

塚地「とぼとぼとぼとぼ歩いてたんですよ」

さんま「おー」

塚地「そしたら向かい側から、ホントにすらっと170cmぐらいの、すらーっとした女性」

さんま「おー」

塚地「で、茶髪でちょっとフワーッとなびくような」

さんま「おーおー」

塚地「顔もメッチャ可愛い、モデルさんみたいな女の子が歩いてきて」

さんま「まあ、そりゃあモデルさんやろなあ、おー」

塚地「可愛いなーと思いながら見てたんですよ」

さんま「おーおー」

塚地「そしたらその人もパッと僕の方を見て、目バッチリ合って」

さんま「おー」

塚地「バーって、ツカツカツカーって近寄ってきて」

さんま「おー」

塚地「『あのー、塚地さんですよね?』って言われて」

さんま「おーおーおーおー!」

塚地「『そーです』って言ったら」

さんま「おー」

塚地「『やったー! やったー!』って言うんですよ」

さんま「おーおー!」

塚地「『すごい大ファンなんです! 塚地さんカッコイイです!』とか言うんですよ」

さんま「おーおーおー」

塚地「で、僕もまあ『いや、そんなことはないでしょ』って言って、『いやホントです! 芸能人の中で一番カッコイイと思ってるんです!』って言うんですよ」

さんま「おーおー!」

塚地「『え、ま、マジっすか? ありがとうございますー』って、ちょっとまんざらでもない感じになるじゃないですか」

さんま「そりゃ嬉しい! そりゃ嬉しい!」

塚地「『ホントにカッコイイです!』『いや、ありがとうございますー』って言ったら、『というのも私、美的感覚がねじ曲がってるんです!』って」

さんま「あははははは! その言葉いらんよな(笑)」

塚地「美的感覚がねじ曲がってるっていう」

さんま「でもな、お前、美男ばっかりモテるわけやないから! 塚地お前それ、電話番号とか聞かへんかったんか!?」

塚地「いや、そこでグッと引いちゃって、それで『ああ、そうなんですかー』って言ってたら、『だって私ね、普通の女の子だったら、犬とか猫とかペットで飼うじゃないですか。私、アフリカ産のカエル飼ってるんです』って」

さんま「(笑)」

塚地「『え、それ俺に、なんでそれ言うの!?』と思って」

さんま「だから塚地、それはホンマやねんて! これ彼女ね、悪気なくゆーてんねんやろ?」

塚地「はい」

さんま「だったらお前、ホンマにお前のことタイプやねんて!」

塚地「でも、ねじ曲がってるまで言わなくても……」

さんま「ねじ曲がってんねんもん、しゃーないやんか(笑)」

塚地「あっはははは(笑)」

さんま「お前なそれ、絶っ対チャンス逃したって!」

塚地「え〜〜〜」

さんま「モデルさんみたいな人やろ?」

塚地「はい」

さんま「みんながみんなあれやで、ハンサム好きちゃうぞ!」

 

といった会話が行われていました。

 

で、まずここで注目したいのが相槌です。特に前半部分で「おー」という相槌が多く入っています。まあテレビなんで多少大袈裟に相槌しているのだとは思いますが、ここでポイントなのが「間(ま)」です。

塚地さんが話している途中、一瞬「間」が空くんですよね。これは誰にでも必ず発生するものなんですけど、この一瞬の「間」に相槌を入れるわけです。そーすると相手もちゃんと話を聞いてくれていると感じ、話しやすくなります。

もちろんやりすぎると不快感を与えてしまうのでバランスは大事なんですけど、しかし全く相槌をしないよりはいいです。

そんなわけで、相手が話している時に発生する一瞬の「間」に、相槌を入れるように意識すると話しやすい空気を作りやすくなると思いますよ。

「いやいや、お前に言われなくても分かってんだよ!」という声が聞こえてきそうですが、次に行きます!

 

続いて注目したいのが「合いの手」です。

これは相槌とちょっと似ているんですが、しかし相槌と違う点は「おー」とか「うん」とかではなく、共感を入れるのがポイントになります。

今回の場合で言えば、「まあ、そりゃあモデルさんやろなあ、おー」とか「そりゃ嬉しい! そりゃ嬉しい!」の部分ですね。

このように相手の話を聞く際、相手の立場になってその場面をイメージするわけです。そして、きっと嬉しいだろうなーと感じた時は「そりゃ嬉しいよね」とか、あるいは大変だろうなーと感じたなら「うわー、それは大変だわ」みたいな感じで合いの手を入れるわけです。

そうすると話しやすい空気ができやすくなり、相手も気持ちよく話せるようになる確率が上がります。

 

続いて、塚地さんのエピソードを聞いたあとの返しです。

モデルさんみたいな可愛い女性に「大ファンです、カッコイイです!」と言われ、まんざらでもない気持ちになっていたら「私、美的感覚がねじ曲がってるんです!」と言われてへこんだ。という塚地さんの話に対して、「でもな、お前、美男ばっかりモテるわけやないから! 塚地お前それ、電話番号とか聞かへんかったんか!?」と返しています。

これは、なぜその女性がその発言をしたのか? という部分に興味を持ち、そこからイメージを膨らませ「カッコイイ人が苦手な美女も世の中にはいる」というふうに連想したんじゃないでしょうか。

で、そこからさらに、そのあとの展開に興味を持つことで「電話番号は聞かへんかったんか?」という質問に発展したのだと思います。そして、その質問が塚地さんへのパスとなり、さらに会話が続いていったわけです。

 

他にも「相手をイジる」というテクニックも使われていますよね。

まあテクニックというのは大袈裟かもしれないんですが、塚地さんの「でも、ねじ曲がってるまで言わなくても……」の発言に対し、「ねじ曲がってんねんもん、しゃーないやんか(笑)」と返している部分です。

これは塚地さんを「ねじ曲がっている」とイジっているわけですが、このように適度に相手をイジると心の距離が縮まりやすくなります。できれば相手にも自分をイジらせると、さらに心の距離は縮まります。

とはいえ、「イジる」というのは使い方を間違えると相手に不快感を与えたり、傷つけてしまう可能性があるので注意が必要なんですけど、このテクニックが使いこなせるようになると "言い合える関係" が構築されて、居心地のいい関係が築けるようになるんですよね。

 

と、まあ、今回はこんな感じです。

では。