夕方5時、喫煙所にて同僚との会話例
とある会社でのワンシーン。時刻は夕方の5時。つまり、定時ですね。
で、Aさんは喫煙所でいっぷくしてから帰ろうとタバコを吸っていました。そこへ現れたのがBさんです。そんなBさんに気付いたAさんが挨拶をしました。
というシーンでの会話です。
A「お疲れ様です」
B「ああ、お疲れ様です」
A「今日はもうこれで終わりですか?」
B「いや、今日は残業なんですよ」
A「残業ですか、大変ですねぇ」
B「まあ、そーですね。Aさんは終わりですか?」
A「はい、終わりです」
B「いいですね」
A「じゃあ僕はもう帰るんで、あんま無理しないでくださいね」
B「はい、ありがとうございます」
A「それじゃあ、お先です」
B「お疲れ様でした」
どうでしょうか?
つまらなくないですか?
正直、無難な会話すぎて面白くありません。こんな会話では心の距離は縮まりませんし、ただ表面的な会話をしているだけにすぎません。
なので、次のような会話をしてみてはどうでしょうか?
A「お疲れ様です」
B「ああ、お疲れ様です」
A「今日はもうこれで終わりですか?」
B「いや、今日は残業なんですよ」
A「残業ですか、頑張りますねぇ」
B「いや、別に頑張ってるわけじゃないですよ」
A「そーですか? でも、もちろんサービス残業ですよね?」
B「いやいや、ちゃんと残業代つきますから!」
A「ですよね。さすがにサービス残業は嫌ですよね」
B「さすがに嫌ですね。で、Aさんはもう終わりですか?」
A「はい、終わりです」
B「よかったら代わりましょうか?」
A「いや、代わらなくていいです」
B「そうですか? 別にそんな遠慮しなくてもいいんですよ?」
A「いやいや、遠慮なんてしてませんから!」
B「ですよね!」
A「はい。じゃあ僕はもう帰るんで、頑張ってくださいね。サービス残業」
B「いや、だからサービスじゃないですからね!」
A「あ、そーでしたね。わかりました。それじゃあ、お先です」
B「お疲れ様でした」
てな感じなんですけど、最初よりは面白い会話になってる気がしませんか?
ポイントはいくつかあるんですけど、分かりやすいところでいうと、「今日は残業なんですよ」のあとの返し方ですね。
最初は「大変ですねぇ」と返しているんですが、これでは普通すぎて面白くありません。なので、二回目の方では「頑張りますねぇ」と返しています。
多くの場合、残業なんてものは基本的にやりたくてやるものではありません。まあ、残業代を稼ぎたいからって理由でやってる人もいますが、でも本心では「できればやりたくない」と思っている人が多いんじゃないでしょうか。
なので多くの人は、別に頑張ってヤル気満々で残業をしているわけではないのです。でも、それをあえて「ヤル気満々で頑張っている」という前提で会話を進めるわけです。そうすることで相手に「いやいや、違うから!」とツッコミを入れさせることができます。
このツッコミを入れたり、入れられたりできる関係が築けると心の距離も縮まりやすくなるんですよね。こういう関係を『言い合える関係』と表現したりもします。
なので、相手がどんな人でも、この "言い合える関係" を目指しましょう!